仮想仕事の原理
仮想仕事の原理
静止している物体(または系)に作用している外力の合力はゼロである。
外力が釣り合って静止しているからだ。
それを式で表現すると次のようになる。
F1 + F2 + F3 + ・・・・・・・ + Fi = 0
すべての力を合算したら、プラスマイナスでゼロになったのだ。
それを図にすると以下のようになる。
この物体を、釣り合いを保ったまま、ほんのちょっと δx だけ、そっと動かしてみる。
δx だけ移動したのだから、各外力 Fi に移動距離をかければ、それぞれの仕事になる。
仕事の総量を示すには、上記の式の両辺に δx をかければいい。すると次の式になる。
F1 ・ δx + F2 ・ δx + F3 +・ δx ・・・・・・・ + Fi ・ δx = 0
右辺はもともとゼロなので、ゼロのままだ。
この式からわかるのは、釣り合っている状態のとき、外力による仕事の合計はゼロになるということだ。
これが仮想仕事の原理である。
仕事をしたように思えるが、結局、仕事をしていなかったので仮想仕事というのだ。
また、ちょっとだけ動かした δx を仮想変位という。
仮に動かしたつもりになっているからである。
■最初のページ:仕事とエネルギー:目次
スポンサーリンク
2016/09/18