物理学解体新書

必要条件と十分条件の違い

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必要条件と十分条件の覚え方

必要条件と十分条件は混乱しやすい。
ここでは、必要条件と十分条件の違いと覚え方を解説しよう。



必要条件・十分条件とは

渋谷区に住む人は渋谷区民である。
また東京都民とは、東京都に住んでいる人のことだ。


渋谷区は東京都の一部だから、渋谷区民はそのまま東京都民ということになる。
しかし、東京都民はそのまま渋谷区民とは限らない。
足立区民かもしれなし、世田谷区民かもしれない。町田市民や八王子市民の可能性もある。


上記から、
渋谷区民ならば、東京都民である
ということができる。
これが理解できない人はまずいないだろう。


ところが上記を、以下の言い方にすると、たちまち理解しにくくなる。

ここでは、渋谷区在住のA氏を例にして、必要条件・十分条件の覚え方(理解のしかた)を説明する。
なぜ「必要」なのか、なぜ「十分」なのかイメージがつかめるはずだ。



十分条件の覚え方

A氏は渋谷区民である。

A氏が東京都民であるかどうかを確認するには、A氏が渋谷区民であることが明らかならそれで十分だ。
渋谷区の住民票を見せて「渋谷区民であることは確認できましたが、それだけでは東京都民としての証明になりません」とはならない。
渋谷区民でありさえすれば、東京都民であることは間違いないからだ。


だから渋谷区民であることがわかれば、それだけで十分に東京都民であることの証明になるのである。


「お住まいは東京ですか?」と聞かれたA氏が「はい、渋谷に住んでます」と答えたとする。
渋谷に住んでいるという情報だけで、十分に質問に対する答えになっているはずだ。


ここから、渋谷区民であることは、東京都民であるための十分条件という。
東京都民であるためには、渋谷区民であることが分かれば、もうそれだけで十分なのである。


これを数学らしく書くと次のようになる。
「渋谷区民ならば、東京都民である」とき、
渋谷区民は、東京都民であることの十分条件という。


必要条件の覚え方

A氏が渋谷区民であるためには、同時に東京都民である必要がある。
渋谷区民ではあるが、東京都民ではないという状況は存在しない。


渋谷区民であるためには、東京都民であることが絶対に必要なのだ。


仮に渋谷区に住むことを長年夢見てきたA氏が、他県から渋谷区に転居してきたとしよう。
「渋谷区民にはなりたいが、東京都民にはなりたくない」と希望したとしても、これは不可能だ。
渋谷区民であるためには、同時に東京都民である必要があるのである。


ここから、東京都民であることは、渋谷区民であるための必要条件なのである。
これは渋谷区民に限らない。
荒川区民であっても、江戸川区民であっても、三鷹市民であっても、同時に東京都民であることが必要なのだ。


これを数学らしく書くと次のようになる。
「渋谷区民ならば、東京都民である」とき、
東京都民は、渋谷区民であることの必要条件という。

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2016/10/03



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