誤りだった理論
熱素説(カロリック説)
熱の正体を熱素という物質だと考えた学説。
物体の温度変化は、熱素という物質の移動により説明される。
カロリック説ともいう。
熱素が流入すると物体の温度が上昇し、流出すると温度が低下する。
温度の変化に伴って物質の質量が変化しないのは、熱素が質量を持たないからと考えられた。
大砲の砲身を削る作業で熱が大量に発生することから、ランフォードは際限なく発生するもと考え熱素説の反証とした。
やがて熱の正体が分子の運動であることが判明し、熱素説は否定された。
燃素説(フロギストン説)
燃焼を説明するために仮定された物質が燃素だ。
燃素はフロギストンともいう。
燃素を含む物質が可燃性物質だ。
燃焼は燃素が流出する現象であり、燃えきった物質がさらに燃えないのは、燃素を完全に失ったからである。
ラボアジェが物質と空気中の酸素との結合が燃焼であることを明らかにした。
燃素説は否定された。
エーテル説
光が波であることが確認されると、波を伝えるための媒質があるはずだと考えられるようになった。
この媒質がエーテルである。
空間はエーテルによって満ち満ちていると考えられた。
エーテルを直接検出するため実験が、マイケルソンとモーリーによって試みられた。
この実験は精度を高めながら数回実施されたもののエーテルは検出されなかった。
このことからエーテルの存在は否定された。
光は媒質を必要とせず伝播するのである。
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2010/02/21