半導体物理学
キャリア
電流が流れるのは、電荷を帯びている実体が移動しているからである。
電荷を帯びている実体をキャリアという。
導体の場合、キャリアは自由電子である。
半導体のキャリアは、自由電子とホール(正孔)である。
自由電子はマイナス電荷、ホール(正孔)はプラス電荷を担っている。
自由電子
結晶を構成している原子は、そのときの温度に応じた熱エネルギーで振動している。
この熱エネルギーが共有結合のエネルギーを上回ると、電子が共有結合から離脱する。
この電子は特定の原子に拘束されないため、自由電子と呼ばれる。
この自由電子の量の大小の差が、電気抵抗の違いに現れるのだ。
ここで注意をしなくてはならないことがある。
ある温度に達したとたん、すべての電子がいっきに自由電子になるのではないということだ。
温度の上昇につれ、共有結合を離脱する電子の数はだんだんと増えていくのである。
なお、絶対零度では、すべての価電子が共有結合に参加している。
自由電子がないので、絶対零度ではシリコンは絶縁体なのである。
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2005/06/03
2007/12/04