物理学解体新書

ヤングの実験

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ヤングの実験とは

光の正体をめぐる対立

光の正体は古くからの謎であった。


レーマーが木星の衛星の観測から、光の速度が有限であることを発見し、同じ頃、ニュートンがプリズムを通すことで太陽光を分解する実験を行った。


ホイヘンスは光は波であると考えた。
光と光が重なっても、互いに影響を与えない。
これが波の性質と同じだからだ。


ニュートンは光の正体を粒子と考えた。
光を遮ると、もう先へは進むことができないからだ。
もし、光が波なら物体に当たれば回折するはずだが、回折がはっきりと観察されないことから、光は波動ではなく粒子であると考えたのだ。


この論争に決着をつけたのがヤングである。



ヤングの実験

水面で波が重なると、山と山で強め合い、山と谷で打ち消し合う。
これこそが、粒子にはない波の性質だ。


もしも光が波であるなら二つの光を重ねたときに、強め合った部分は明るくなり、打ち消し合った部分は暗くなる。
つまり、光があたった場所に縞々模様ができるはずである。


ヤングは実験で光を重ね合わせたときに縞々模様が出現することを確かめた。
これによって、光が波動であることが確定したのである。


このとき、ニュートンとホイヘンスの対立から、実に100年の年月が過ぎていた。

■次のページ:ヤングの実験の原理

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2017/04/08



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