物理学解体新書

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代謝水

体内の水分量は予想以上に多い。
成人の場合、体重の50〜60%が水分である。
新生児の体内の水分は、体重の80%にも達するという。


人体にとって水は貴重である。
常に適量が体内になくてはならない。
体内水分の10%を失うと、脱水症状で健康を損ない、20%を失うと死亡する。
暑くない時期でも、水分補給の大切さを忘れてはならない。
特に新生児・乳幼児は、成人以上に水分を必要としているのだ。


「人間は体内で水を生成することができない」ということが暗黙の理解となっている。
ところがこれが違う。
人間は一日に350ミリリットル(太いサイズの缶ジュースの量)程度の水を体内で生成しているのだ。
このような水を代謝水という。


人間は一日に平均2.3リットル(やかん一杯と少しの量)の水を、発汗や排尿などで体内に排出する。
そして、これと入れ替わりに、同量の水を摂取しなくてはならない。
代謝水は350ミリリットルなので、必要量の15%に相当する。
だから、残りの85%を飲食によって取り入れるのだ。
自給している水が、必要量の15%とは思ったよりも多いと感じる。


炭水化物、脂肪、タンパク質は、体内で酸素と化合する。
この酸素は人間が吸った酸素だ。
酸素と化合した結果、水と二酸化炭素が生成される。
この水が代謝水である。
二酸化炭素は酸素と入れ替わりに肺から体内に排気される。
これが呼吸のメカニズムだ。


「ラクダの背中のコブは栄養が詰っている」
これは、動物図鑑でおなじみの説明だ。
ラクダはこの栄養を酸化させ、十分な量の代謝水を得て、砂漠で生き抜いている。
過酷な環境が生んだ、進化の成せる業である。

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2005/10/05



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