物理学解体新書

EPRパラドックス

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EPRパラドックスとは

スピン

スピンとは素粒子の自転とイメージすればいい。
スピンの値は、プラス1、マイナス1、ゼロの3種類だ。


右に自転していれば1、左に自転していればマイナス1、自転していなければゼロとなる。


スピンは保存するという法則がある。
スピンがゼロの素粒子が二つに分離した場合、一方の素粒子のスピンがプラス1なら、他方はマイナス1だ。


スピンの値は確率なので前もって分からない。
コペンハーゲン解釈によると、量子の世界は観測によって決定する。
だから、スピンの値も観測が決めているのだ。


アインシュタインは、コペンハーゲン解釈を認めていなかった。
コペンハーゲン解釈の矛盾を明らかにするため、スピンの値を使った思考実験を提案した。


この思考実験は、アインシュタインとポドルスキー、ローゼンの連名での論文であったため、EPRパラドックスと呼ばれている。


EPRパラドックス

スピンがゼロの素粒子が二つに分離した場合を考える。
コペンハーゲン解釈によると、分離後の二つの素粒子は、どちらも観測によってスピンが決定するはずだ。
言い換えると、観測するまで、スピンの値は決定していないはずである。


EPRパラドックスによれば、ここにコペンハーゲン解釈の矛盾が含まれているという。


分離後の二つの素粒子は、それぞれ別の方向へ飛んで行ったとする。
十分に離れた時点で、一方の素粒子の素粒子だけを観測する。


観測した瞬間にスピンの値が決定されるが、もう一方の素粒子は観測されていないのでスピンは決定していない。


ここでスピンの値の保存則を思い出そう。
最初のスピンがゼロで、分離後の一方のスピンがマイナス1なら、もう一方はプラス1になる。


観測によって、一方の素粒子のスピンが決定したら、もう一方の素粒子は観測されていないのにスピンが決定したことになる。


分離後の素粒子は十分に離れていたはずだ。
一方の素粒子のスピンが決定したという情報が、瞬間的にもう一方に伝わったことになり、相対論に反してしまうのだ。

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2017/05/10



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