物理学解体新書


中性子

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中性子

中性子とは、陽子と共に原子核を構成する素粒子の1つである。
水素の原子核(陽子1個のみ)以外の原子核は、陽子と中性子から構成されている。


質量は陽子の質量とほぼ同等である。電荷は持たない。
中性子と陽子をまとめて核子という。


「中性子」と「陽子」は「核子の種類」を指す言葉ではない。
核子の状態」を表現する用語なのだ。


中性子と陽子は相互にパイ中間子を放出・吸収することによって、「中性子→陽子」「陽子→中性子」のように状態が変化し、同時に核力が発生する。
核子が正電荷を帯びた状態が陽子であり、電荷がない状態が中性子なのだ。


つまり、1つの核子が「あるタイミングでは陽子、別のタイミングでは中性子」というように状態を変化させるのだ。


中性子は原子核の外に出ると、非常に不安定になる。
半減期約10分程度で、陽子、陽子、反電子ニュートリノに崩壊する。
従って、孤立した中性子は自然界では見つからない。


中性子は核反応によって、人為的に原子核から取り出すことができる。


荷電粒子の透過力は一般に強くない。物質中を通過する際、電場の影響でブレーキがかかるためだ。


一方で中性子は電場の影響を受けない。電場の抵抗を受けないので、そのままの勢いで物質中を突き進むことができる。中性子の透過力は非常に強いのだ。
物質中を通過する中性子線は、原子核との衝突するたびごとに減速する。


陽子原子核に衝突させることは難しい。
陽子原子核に接近すると、原子核内の陽子と電気的に反発しあい軌道がそれてしまうのだ。


ところが、中性子は電気的な影響を受けない。
勢いを維持したまま、原子核と正面衝突することができる。
このため、中性子は核反応に利用される。



中性子はバリオンの一種でもある。
量子力学の観点で、中性子の特性を以下に示す。

質量数1
電荷0
スピン1/2
アイソスピン-1/2
ストレンジネス0
超電荷1/2



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2005/06/01



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