原子核

原子は、中心となる原子核と、その原子核の周囲を取り囲む電子から構成される。
原子核は陽子と中性子から構成される。

核子	質量	質量数	電荷	原子核外での安定の度合い
中性子	1.6749×10^-27kg	1	0	不安定
陽子	1.6726×10^-27kg	1	1.602×10^-19C	安定

陽子の数が、その原子核の原子番号に相当する。
陽子の数と中性子の数の合計が質量数である。
陽子の数が同一でありながら、質量数が異なるものを同位体という。

中性子と陽子をまとめて核子という。

原子番号の小さい原子は、陽子と中性子はほぼ同数である。原子番号が大きくなるにつれ、中性子の数の方が多くなる。
これは以下の２点を意味している。
・陽子数と中性子数の組み合わせによって、原子核が安定するかどうかが決まる
・原子核が安定する最適な組み合わせが、原子番号ごとに存在する

この最適な組み合わせにマッチした原子核が安定同位体、組み合わせから少し外れたものが放射性同位体である。
組み合わせから極端に外れると、原子核は存在できない。

陽子は正電荷を帯びているので、反発しあう力が相互に作用する。
それにもかかわらず、原子核がバラバラにならないのは核力が電気的な反発力以上の力で核子を結びつけているからである。

陽子間の電気的な反発力を押さえ込んで原子核を一つにまとめあげることができるのだから、核力は非常に強力である。

その一方で核力には以下のような性質がある。

核力の性質	核力の性質に起因する原子核の特性
作用する範囲は非常に狭い	原子核のサイズが、核力の作用する範囲を超えると、陽子間の電気的な反発力が核力に勝るため、原子核を維持することが難しくなる。質量数が200を超える原子核が安定していないのは、このためである。
陽子、中性子の間で強く作用する	陽子のみ、または中性子のみから構成される原子核はあり得ない。(水素原子以外)陽子または中性子の一方だけが極端に多く含まれる原子核も存在できない。陽子と中性子の数のバランスが適切でないと、核力が有効に作用せず、原子核は非常に不安定である。

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2005/06/01