硬さ試験
硬さ試験の方法
硬さ試験の種類
ここでは、様々な硬さ試験の種類を説明しよう。
名称 | 記号 | 試験方法 |
ブリネル硬さ | HB | 球圧子を試験片に押しつけ、できたくぼみの表面積で硬さを評価する |
ビッカース硬さ | HV | ダイヤモンド製の四角錐の頂点を試験片に押しつけ、できたくぼみの表面積で硬さを評価する |
ロックウェル硬さ | HR | 圧子を試験片に押しつけ、できたくぼみの深さで硬さを評価する |
ショア硬さ | HS | おもりを試験片に落下させ、おもりが跳ね返った高さで硬さを評価する |
ヌープ硬さ | HK | ダイヤモンド製の四角錐で加圧し、できたくぼみの深さで硬さを評価する |
ブリネル硬さ(HB)
ブリネル硬さ試験では、鋼球(または超硬合金球)の球圧子(φ10mm、5mm)を試験片の表面に押しつけて圧痕をつくる。
圧痕の直径を測定して表面積を求め、押しつけた荷重を表面積で割る。
この数値をブリネル硬さといいHBで表現する。
HBは単位面積あたりの荷重と言い換えることも可能である。
押しつける際の荷重は規格になっている。
ブリネル硬さ試験は、鋳物や非鉄金属等にも広範囲に利用でき、信頼性も高い。
しかし、材料によっては圧痕の周囲が不明確になる場合があり、測定時に誤差が生じる可能性もある。
球圧子は、同じ面を連続して使用していると、一方向に変形してしまう。
そのため試験ごとに回転させる必要がある。
ブリネル硬さ試験は、測定時間が長くかかるというデメリットもある。
ビッカース硬さ(HV)
ビッカース硬さ試験では、ダイヤモンド製の四角錐の圧子を試験片の表面に押しつけて圧痕をつくる。
圧痕の対角線を測定して表面積を求め、押しつけた荷重を表面積で割る。
この数値をビッカース硬さといいHVで表現する。
HVは単位面積あたりの荷重と言い換えることも可能だ。
地球上で最も硬い材質がダイヤモンドである。
圧子はダイヤモンド製なので、どんな材質でも試験することができる。
押しつける荷重が大きいほど、圧痕も大きくなる。
しかし、大きさは違っても圧痕は常に相似形になので、荷重とは無関係にHVは一定になる。
このことは、大きな荷重をかけられないかなり薄い試験片にも適用できることを示している。
ロックウェル硬さ(HR)
ロックウェル試験では、ダイヤモンド製の円錐圧子、または鋼球(または超硬合金球)の球圧子を押しつけ、できたくぼみの深さで硬さを評価する。
試験機が送り出した圧子の距離が、くぼみの深さに相当する。
試験機が、送り出した距離を表示すれば、そのままロックウェル硬さになる。
加える荷重は、基準荷重と試験荷重の2段階である。
まず、基準荷重をかけ、くぼみを作る。
さらに試験荷重をかけ、くぼみを深くする。
基準荷重と試験荷重のくぼみの深さの差がロックウェル硬さになるのである。
ショア硬さ(HS)
ショア硬さ試験では、おもりを試験片に落下させ、おもりが跳ね返った高さで硬さを評価する。
跳ね上がりを利用するため、相手にキズを付けない。
そのため仕上がり品や、材料をそのまま試験することができる。
しかし、ショア硬さの試験結果の再現性はよくない。
同様に試験しても、数値にバラツキが発生する。
ヌープ硬さ(HK)
ヌープ硬さ試験では、ダイヤモンド製の四角錐で加圧し、できたくぼみの深さで硬さを評価する。
薄いシート状や、小型の試験片の硬さが試験できる。
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2008/05/09