作用・反作用の法則の疑問
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なぜ、綱引きで勝負がつくのか?
力は単独では存在できない。常に等大逆向きの力とペアになって存在するのである。
これが作用・反作用の法則である。
この「等大逆向きの力がペア」がクセものであり、理解しにくさ・分かりにくさの原因になっている。
ここでは、作用・反作用の法則に関して次の3つの疑問を解き明かすことにする。
なぜ、綱引きで勝負がつくのか?
綱引きも、綱を引き合う両チームの間で作用・反作用が生じている。
もちろん、等大逆向きの力だ。
では、等大逆向きの力で引き合うのに、なぜ勝負がつくのか?
もし、綱引きをスケートリンクの上で行ったらどうなるか?
靴の裏側がツルツルすべって、どちらのチームも「綱は引けるが、後ろに引っ張れない」状態になるだろう。
綱全体はどちらの側にも動かず、勝負はつかない。まさに等大逆向きの力が加わっているからだ。
今度は、一方のチームの足元がスケートリンク、他方のチームの足元がグラウンドだとする。
このハンデは明らかだ。グラウンド側のチームが圧勝することだろう。
スケートリンク側のチームは綱を引くことはできても、足を踏ん張ることができない。
このため、相手方へスルスルと引きずられてしまうのだ。
スケートリンク側のチームの敗因は綱を引く腕力が劣っていたからではない。
足を踏ん張るための摩擦力が無かったからだ。
通常、綱引きは両チームともグラウンド上で行われる。
靴底の摩擦力は、チームのメンバーの体重や靴底の面積、土の状態で違いがでる。
両チームが綱を引く力は作用・反作用により等大逆向きであるが、足を踏ん張るための摩擦力の違いで有利になったり、不利になったりする。
綱引きは、靴底の摩擦力の差で勝負がつくのだ。
綱引きは「力比べ」ではあるが、腕力を比べているのではない。
靴底の摩擦力を競う競技なのだ。
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