物理学解体新書

等速直線運動

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等速直線運動

等速直線運動とは

スピードを変えず、一直線上を進む運動を等速直線運動という。
摩擦のない平面を物体がどこまでも滑っていく運動をイメージすればいい。


速度が一定なので、同じ時間に同じ距離を進む。
最初の1秒間に1メートル進んだら、次の1秒間も1メートル進む運動だ。

等速直線運動
このアニメーションは等速直線運動の例である。
常に同じ時間に同じ距離を進むことがわかる。
等速直線運動は同じ速度を保ったまま、どこまでも進む運動なのだ。


物体が秒速v[m/s]で摩擦のない水平面上を運動している。
この物体には力が作用しないので、速度はv[m/s]のまま増減しない。
いつも等しい速度で、直線に進むのでこれを等速直線運動という。



この物体は、1秒後にv[m]、2秒後に2v[m]、3秒後に3v[m]の距離を進む。
速度が一定なので、速度と時間の積が距離になるのだ。
ここでは、微分方程式を用いていかにも学問らしく等速直線運動を記述するが、実態は小学校高学年で習う「速さ×時間=距離」の関係を用いて計算しているのに過ぎない。




等速直線運動と慣性の法則

カーリングを例として摩擦のない平面での物体の動きについて考えよう。
平坦な氷の表面は摩擦が少ない。
この上で物体を滑らせると、なかなか減速せず滑り続ける。



物体はもともと、力を受けない限りそのままの運動を維持しようとする性質を持つ。
これを慣性の法則という。
平坦な氷の表面では、物体に作用する力がほとんどないので、慣性の法則が顕著になるのだ。



力がまったく作用しなければ、慣性の法則によって物体はいつまでもそのままの運動を継続する。
しかし実際の氷上では、空気の抵抗やわずかな摩擦で力を受ける。
このため地球上では、慣性の法則によって物体がいつまでもそのままの運動を継続する例はなかなか見出せない。
だから、カーリングでも、物体はやがて止まるのだ。


「摩擦のない水平面上での運動」といった場合、「空気の抵抗や摩擦力など一切無視して計算する」といったことを示唆している。
いつまでも止まらないカーリングをイメージしてもいいだろう。

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2005/06/03



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