デュロン=プティの法則
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デュロン=プティの法則と極低温
デバイの比熱式
ところが、極低温の世界では、デュロン=プティの法則は成り立たない。
固体の温度が絶対0度に近づくにしたがい、定積モル熱容量の値は3Rから外れて急激に0に近づいていく。
極低温では、量子力学的な効果が出てくるからだ。
この現象は長い間の謎であったが、アインシュタイン(A.Einstein)が提案した「各原子が独自に振動するモデル」で一応の決着を見た。
このアインシュタインのモデルでは、定積モル熱容量が絶対0度付近で0になるカーブを描くことができたが、実験事実との一致しない部分が残っていた。
デバイ(P.Debye)は、「各原子が様々なモードで振動するモデル」で計算し、実験事実と矛盾しない式の導出に成功した。
これをデバイの比熱式という。
炭素、ホウ素など軽い元素からなる固体は、常温であっても、デュロン=プティの法則に従わない。
これらは、常温であっても量子力学的な効果が残っているからである。
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2006/09/13