物理学解体新書

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放射線・放射能の単位の解説

照射線量

放射線が空気中に照射されれば、電離作用によってイオンが生じる。


放射線が強力なほど、より多くの気体分子を電離しイオンを生成する。
イオンが多ければ、空間に生じる電荷も多い。
つまり、空間に生じた電荷は、照射された放射線の強度の尺度でもあるのだ。


電離作用で生じた単位質量あたりの電荷量を照射線量という。
当然のことであるが、照射線量は放射線の源の程度を表しているのではなく、照射された影響を表している。
照明器具で比較すれば、電球そのものの明るさではなく、照らされた部屋の明るさに相当する。


照射線量は、照射の大きさを表現する単位なのだ。
質量あたりの電荷なので、単位は[C/kg](クーロン毎キログラム)となる。




吸収線量

人体(または動物等の生命体) への放射線の影響を考える場合は、人体に吸収された量を評価するほうが都合がいい。
このような量を吸収線量といい、Gy(グレイ)という単位で表現する。


吸収線量は、放射線の受けた物体が吸収した単位質量あたりのエネルギーとして定義される。
つまり、エネルギー質量で割るので、1[Gy]=1[J]/[kg]である。


Gy(グレイ)はエネルギーに視点をおいた単位である。
従って、Gy(グレイ)は放射線や吸収物質の種類には無関係に定義されている。



線量当量

放射線防護の観点で、被爆量を評価する単位が線量当量だ。
人体に吸収された量が同じであっても、吸収した部位や放射線の種類によって人体への影響は異なる。
だから、同じエネルギーが吸収されたとしても、部位によってはダメージが大きいが、別の部位では目だった影響がない場合もある。


吸収線量を、放射された部位や線質によって補正した量が線量当量と解釈すればいい。
線量当量の単位はSv(シーべルト)である。


線量当量と吸収線量は以下の関係にある。
線量当量H=吸収線量D×線質係数Q×修正係数N




放射能

放射線を放つ能力を放射能という。
照明器具で比較すれば、照らされた部屋の明るさではなく、電球そのものの明るさに相当する。


原子核の崩壊は、放射線の発生を伴う。
だから、放射能の単位は、単位時間あたりの崩壊数として定義すると便利だ。
この単位をBq(ベクレル)という。



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2009/12/31



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