ドップラー効果
ドップラー効果とは
ドップラー効果の意味
止まっている音源から聞こえる音と、移動している音源から聞こえる音は高さが違う。
例えば、近づいてくる音源が発する音は、実際よりも高い音となって聞こえてくる。
反対に音源が遠ざかるときは、聞こえる音は、実際よりも低くなる。
音源が動いても、聞く人(観測者)が動いても空気を伝わる音のスピードは変わらない。
しかし、音源や音を聞く人の移動によって聴こえる音の高さが変化するのだ。
この現象をドップラー効果という。
なぜドップラー効果が起こるのか?
音の正体は空気の振動による波だ。これを音波という。
1秒間に繰り返す波の個数が周波数だ。
繰り返す波の個数が多ければ周波数は高く、個数が少なければ周波数は低い。
そして高い周波数の音が耳に入ると、人は高い音を聞いたと認識する。
音の伝わるスピードを音速という。
空気中の音速は、温度によって変化するが、秒速約340メートルである。
音源が静止していても、移動しても音速は一定だ。
しかし音源が移動すると、音波の波と波の間隔が広がったり、狭くなったりする。
つまり、音源の移動によって周波数が変化するのである。
救急車が目の前を通過した瞬間に、サイレン音が低くなる現象を体験する。
これは、音源(救急車)の後方の音波(サイレン音)の周波数が、低くなったからである。
動くのは音源か、観測者か
ドップラー効果には、次の二種類がある。
- 音源が止まっていて、観測者(聞く人)が動くケース
- 観測者(聞く人)が止まっていて、音源が動くケース
観測者(聞く人)と音源のどちらが動くのかによって、ドップラー効果の公式は異なるので注意が必要だ。
次ページ以降で、観測者が動く場合と音源が動く場合のドップラー効果の公式(周波数の変化の公式)の導出方法を解説する。
周波数は1秒あたりの振動の回数だ。
だからドップラー効果の式の導出は「1秒あたり」を基本に考えれば、決して難しくない。
■次のページ:観測者が動く場合のドップラー効果
スポンサーリンク
2016/11/05