物理学解体新書

ポテンシャルエネルギー

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ポテンシャルとは

保存力の場の中にあって、位置だけで決まるエネルギーをポテンシャルエネルギーという。
ポテンシャルエネルギーの話の前に位置エネルギー電位について確認しておこう。

位置エネルギーの復習

棚の上のボールが落下すれば、床に衝撃を与える。
つまりこのボールはエネルギーを持っていたことになる。
ところが、このボールを最初から床の上においておけば、床に衝撃を与えることはない。



まったく同じボールでありながら、床の上のボールはエネルギーを持たないが、棚の上のボールはエネルギーを持つ。
物体は「高い位置にある」というだけでエネルギーを持っているのである。
このボールをさらに高い屋根の上に持っていけば、エネルギーはさらに増えることになる。



床からボールを持ち上げると、高さに応じてボールにエネルギーがチャージされるというイメージだ。
逆にボールを低い方へ移すとエネルギーがボールから抜け出るのである。
これが位置エネルギーである。



このボールの質量がm、地球の重力加速度がgだとする。
するとこのボールにかかる力(地球がボールを引く力)はmgとなる。



このmgとボールの高さhの積mghが位置エネルギーになる。
エネルギーとは「仕事」をする可能性のことだ。
この物体はmghの「仕事をする可能性」を持つことになる。



位置エネルギーの特徴は、同じ物体であっても「高さが変わればエネルギーの大きさも変わる」ということである。
つまり、エネルギーが位置によって決まるのである。



地球からはるかに離れた宇宙空間では、重力の影響がない。
そのため、上・下の方向がない。
このような場所では位置エネルギーが成り立たない。
位置エネルギーは重力に影響される環境でないと定義できないのである。



電位の復習

電場中の荷電粒子も電場から作用を受ける。
このため、潜在的にエネルギーを持つことになる。
これを電位という。



電位の特徴は、同じ電荷であっても「電場内の位置が変わればエネルギーの大きさも変わる」ということである。
つまり、位置エネルギーと同様に、電位も位置によって決まるのである。



重力場がなければ位置エネルギーが成立しないように、電場がなければ電位も定義できない。
電場のない空間にポツンと一つだけ荷電粒子があっても電位は成り立たないのである。



このようなことから、重力場中における位置エネルギーと、電場中における電位は対応する関係にあることが理解できる。

■次のページ:保存力とポテンシャル

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