物理学解体新書

放射能[2]

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放射能とは

放射性物質と放射線の意味は前ページで解説した。
ここでは、放射能について説明する。
放射性物質が、放射線を放出する能力を放射能という。


ここで注意しておきたいのは、新聞等マスコミで語られる「放射能」だ。
本来、「放射性物質」「放射線」「放射能」は異なる概念をさす用語であるが、新聞等マスコミでは、この3つをまとめて「放射能」と言っている。


「放射能に汚染された」という表現は「放射性物質によって汚染された」という意味だ。
「放射能が施設外に漏れる」とは「放射性物質が施設外に漏れる」または「施設内で発生した放射線が、建物の壁を突き抜けて施設外へ放出した」と解釈される。


放射能に関連した単位を確認しておこう。

単位意味定義現行単位
放射能放射線を放出する能力単位時間あたりの崩壊数[Bq]
ベクレル
吸収線量物質に吸収された線量単位質量あたりに吸収されたエネルギー
放射線の種類や吸収物質に依存しない
[Gy]
グレイ
線量当量放射線の人体への影響程度を判定するために、放射線の種類や、照射された部位で、吸収線量を補正した量吸収線量、線質係数、修正係数の積[Sv]
シーベルト
照射線量放射線が空気を電離する能力電離で生じる空気1kgあたりの電荷量[C/kg]
クーロン/キログラム


現行の単位は1989年から使用されているが、旧単位との混在も見られる。
換算方法も記しておく。

現行単位旧単位変換式
[Bq]
ベクレル
[Ci]
キュリー
1[Bq]=2.7×10-11[Ci]
[Sv]
シーベルト
[rem]
レム
1[Sv]=100[rem]
[Gy]
グレイ
[rad]
ラド
1[Gy]=100[rad]
[C/kg]
クーロン/キログラム
[R]
レントゲン
1[C/kg]=3876[R]



■次のページ:放射線発生のメカニズム

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2005/07/18



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