崩壊系列

²³⁸Ｕはα崩壊して²³⁴Thになる。
ところが²³⁴Thも不安定なので、今度はβ崩壊して²³⁴Paになる。

このように、崩壊して他の原子核になってもその原子核が不安定であれば、さらに崩壊する。
不安定である限り崩壊が繰り返し、安定な原子核になったところで崩壊が終了する。このような一連の崩壊の順序を崩壊系列という。

合計４種類の崩壊系列が存在する。
自然界に存在する３種類と人工元素をスタートとする１種類だ。

名称	スタートの原子核	ゴールの原子核	一般式
ウラン系列 (またはラジウム系列)	²³⁸U	²⁰⁶Pb	4n+2
アクチニウム系列	²³⁵U	²⁰⁷Pb	4n+3
トリウム系列	²³²Th	²⁰⁸Pb	4n
ネプツニウム系列	²⁴¹Pu	²⁰⁹Bi	4n+1

崩壊系列ごとに、原子核の質量数を、大きいほうから順にたどっていくと、４ずつ減っていくことが確認できる。
α崩壊が起こるごとに、α線の放射によって質量数が４ずつ失われるからである。
(β崩壊では質量数は変化しない)

このため、各崩壊系列の質量数は「4n+？」の形式になり、同じ系列であれば「？」の値は同一なのである。
4n (４の倍数)に「？」を加算するのだから、「？」には0〜3以外の数は入らない。
「？」は４種類しかないのだ。

これは、崩壊系列の種類は４つだけということを意味している。
この他に未発見の崩壊系列は存在しない。崩壊系列はこの４つしかあり得ないからである。

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2005/06/01