α線,アルファ線
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α線,アルファ線
α線とは、放射性核種のα崩壊に伴い、原子核から高速で放射されるヘリウムの原子核(He)のことである。
なお、原子核崩壊に伴う放射線は、α線を含めて以下の種類がある。
放射線 | 実体 | 発生機構 | 電荷 | 電離作用 | 透過力 | |
α線 | ヘリウムの原子核 | α崩壊に伴い、原子核から放射される | 2 | 大きい | 極めて弱い紙1枚で遮断できる | |
β線 | β-線 | 電子 | β-崩壊に伴い、原子核から放射される | -1 | やや大きい | 弱いアルミ箔等の薄い金属で遮断できる |
β+線 | 陽電子 | β+崩壊に伴い、原子核から放射される | 1 | |||
γ線 | 波長域10-12[m]以下の電磁波 | 励起状態の原子核から放射される | 0 | 少ない | 極めて強い遮断には厚いコンクリートや鉛が必要 |
α線は、粒子サイズが大きいため、他の物質と衝突しやすい。
このため、紙一枚程度の障害で容易に遮断されてしまう。
仮に外部からα線を被曝したとしても、皮膚によって遮断されるため、α線が体内に侵入することはない。
一方で、吸引や摂食によってα線を放射する物質が体内に取り込まれると非常に危険である。
α線が持つ電離作用は非常に強力だ。
このため、細胞を構成する物質の電子をはじき出し、DNAを損傷させるなどで、がんや遺伝的な問題が引き起こされる。
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2005/06/01
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