β崩壊
HOME> 物理学用語辞典>原子核物理 & 原子核工学用語集>β崩壊
β崩壊
不安定な原子核は、時間の経過とともに放射線を出して他の原子核へと変化する。
これを「原子核崩壊」または「原子核壊変」といい、原子核崩壊を起こす原子核を「放射性同位元素」または「放射性核種」という。
原子核崩壊は自然に発生する。
崩壊していくスピードは環境に依存せず、人為的にコントロールすることもできない。
原子核崩壊には2つのパターンがあり、これ以外のパターンで崩壊することはない。
これら原子核崩壊はすべて放射線を伴う。
崩壊の種類 | 放射線 | 実体 | 原子番号 | 質量数 | ||
α崩壊 | α線 | Heの原子核 | 2つ減る | 4減る | ||
β崩壊 | β-崩壊 | β線 | β-線 | 電子 | 1つ増える | 変化しない |
β+崩壊 | β+線 | 陽電子 | 1つ減る | 変化しない |
β崩壊とは、原子核がβ線を放射して、他の原子核になる現象をいう。
β崩壊に伴い、原子核から放射される電子または、陽電子がβ線の実体だ。
β線には二種類ある。
電子が放射された場合をβ-線、陽電子が放射されればβ+線という。
β-線、β+線をまとめてβ線というが、単にβ線といった場合、β-線のみを指すことも多い。
β崩壊の場合は原子核内の「弱い相互作用」によって起きていることが確認されている。
この「弱い相互作用」は非常に短距離でのみ作用する。その大きさは核力に比べ極端に小さい。
β崩壊時に原子核から放出されるのはβ線だけではない。
電子ニュートリノ(または反電子ニュートリノ)という中性の素粒子も同時に放出される。
β崩壊を放射線によって区分する場合、β-線が放射されるβ崩壊をβ+崩壊、β+線が放射されるβ崩壊をβ+崩壊という。
スポンサーリンク
2005/06/01
スポンサーリンク
Amazon.co.jpアソシエイト
スポンサーリンク
Amazon.co.jpアソシエイト