物理学解体新書

運動の3法則

HOME質点の力学運動の3法則>慣性の法則(第1法則)

慣性の法則(第1法則)

力と運動の関係をまとめた法則が運動の3法則だ。
下表の3つの法則から成り立っている。

慣性の法則
(第1法則)
物体は力が加わらないかぎり、そのままの状態を続ける
運動方程式
(第2法則)
物体に力が加わると、質量に比例した加速度を生じる
作用反作用の法則
(第3法則)
物体に力が加わると、物体は同じ大きさの力で押し返す。


第1法則:慣性の法則とは

ここでは、運動の法則の第一法則、慣性の法則について解説しよう。

物体には「力が加わらないかぎり、そのままの状態を続ける」という性質がある。
これを慣性の法則という。

力が加わらなければ、動いている物体はそのまま動き続ける。
力が加わらなければ、止まっている物体はそのまま静止したままだ。

宇宙空間を移動する隕石がこのイメージだ。
引力の影響がなく、他の天体と衝突しなければ隕石は、加速も減速もカーブもしない。
そのままの速度を保ったまま、どこまでも飛び続けるのである。

ところが実際には、地球上でまったく力が加わらない環境を用意することは、困難である。
しかし経験や知識からイメージすることは可能だ。

例えばカーリングという競技がある。
平坦な氷の表面で物体をすべらせる種目である。

平坦な氷の表面は摩擦が少ない。
滑走する物体が受ける力は、摩擦力と空気抵抗だがこれらはわずかだ。
だからカーリングでは10m以上も物体がすべり続けることができる。
これが、アスファルトや床の表面では、こうはならない。

慣性の法則を邪魔するのが力

さて、摩擦力と空気抵抗がまったくない場合をイメージしてみよう。
物体の動きを止めようとする働きがないので、物体はそのままの速度を維持したまま動きつづける。

力が加わらなければ、物体はそのままの運動を維持する。
運動を変えるためには、力の作用が必要だし、運動が変われば(速度が変化すれば)それは、力が加わったからである。

平坦な氷の表面を滑る物体がやがて停止するのは、速度が低下するからである。
速度が低下するのは、空気抵抗や摩擦力による力が作用したからだ。
力の作用によって、速度が変化するのである。

次のページで、第2法則を解説する。

■次のページ:第2法則(運動方程式)

このページのTOPへ



スポンサーリンク

2005/06/03
2010/02/07
2016/07/31



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト