力のつり合い
力のつり合いと作用・反作用
力のつり合いを作用反作用の法則と混同するケースが多々見られる。
両者はまったく別の話であることをよくよく理解する必要がある。
作用反作用の法則 | 作用し合う二つの物体間での法則 |
力のつり合い | ひとつの物体におよぼす力がつりあっている。 (合力が0) |
力のつり合いと作用・反作用の違い
ここでモノが台の上に載っている状態を「作用反作用の法則」と「力の釣り合い」の二つの視点で考えよう。
(下図)
モノが台を押すが、同時に同じ大きさの力で台もモノを押し返す。
押す・押し返すの関係は、モノと台の二物体間で起こっている。
この例によらず、作用反作用の法則は、常に二物体間で起こる現象なのだ。
(下図)
繰り返すと
・モノが台に及ぼす力
・台がモノに及ぼす力
が等大・逆向きなのだ。
作用反作用の法則は当事者同士(モノと台)だけの問題なのである。
モノは地球の引力を受けている。
しかし、モノがそのまま落下しないのは、何かの力が引力と相殺して合力がゼロになっているからだ。
ここでは、「台がモノを押し返す力」が「地球がモノを引く力」と相殺しているのだ。
(下図)
合力を構成している二つの力を比べてみよう。
・台がモノを押し返す力
・地球がモノを引く力
力を及ぼす主体は「台」であり、「地球」だ。
力を受けている「モノ」は出てこない。
ひとつの物体におよぼす力の合力が重要なのであって、当事者である物体(モノ)の力は考慮されないのだ。
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