単振り子
単振り子とは
糸の先の物体を揺らせたものを単振り子という。
5円玉を糸でつりさげユラユラ揺れている状態を想像してもよい。
単振り子の周期は糸の長さだけで決まる
単振り子の大きな特徴は、糸の長さだけで周期(揺れが一往復する時間)が決まることだ。
単振り子の周期は、物体の質量や振れ幅とは無関係なのである。
次式は単振り子の周期を示している。
\[
T=2\pi\sqrt{ \frac{ l }{ g } }
\]
この式の中に、糸の長さlは含まれているが、物体の質量や振れ幅は出てこない。
さらに、この式の中に登場するg(重力加速度)やπ(円周率)は定数なので人為的に値を変更できない。
つまり、糸の長さlのみが実験者の意思で変更可能であり、周期Tは、糸の長さだけで決まってしまうということだ。
言い換えると、「周期を変えるには、糸の長さを変えるしかない」のである。
なお、上記は地球上に限定した話であることを補足しておこう。
g=9.8は地球上での定数であり、月面では約1/6になる。
従って振り子を月面にもっていけば、振り子の周期は\(\sqrt{ 6 }\)倍(約2.45倍)になる。つまり、ゆっくり揺れるのだ。
さらに、無重力の宇宙船内では振り子は成り立たないことになる。
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2005/06/03
2016/09/19