物理学解体新書

力積と運動量

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運動量保存の法則

「○○保存の法則」とはよく聞く。
何らかの現象の前後で、ある量が変化しないという法則だ。
ここで解説する「運動量保存」の他にも、物理や化学の分野で「力学的エネルギー保存」「質量保存」「電荷保存」等がある。


先ほどの二つのボールA、Bを正面衝突させたとしよう。
A、Bは衝突した瞬間に跳ね返り、衝突前とは反対方向に向かう。
このとき、AとBの運動量の合計は衝突の前後で変化しない。
これを式で表現するとこうなる。


ボールA、Bが正面衝突ではなく斜めに衝突した場合は、縦方向、横方向それぞれで運動量保存の法則が成り立つ。
運動量はベクトル量なのでこのようなアプローチが可能なのだ。


転がしたボールが、だんだんと速度を緩めやがて停止するケースを考えてみよう。
この場合、ボールの運動量が少しづつ減少するので、運動量が保存されないように見受けられる。
しかしこの場合も運動量保存の法則は例外なく成立しているのだ。


転がしたボールがだんだんと速度を緩めるのは、地面との摩擦抵抗による力を受けるからだ。
ということは作用反作用の法則により、地面もボールから力を受けることになる。
このボールからの力によって地球の運動量が変化するのだ。


地球はボールに比較して圧倒的に大きいので地球の運動量の変化は検出できない。
地球とボールとをひとつの系として考えれば、運動量保存の法則は歴然と成立しているのだ。


例えば、ボールを西から東に向かって転がせば、このボールは地球の自転を阻止しようとする方向に、地球の運動量を変化させる。

■次のページ:運動量の変化が力積


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2005/06/03
2007/11/19



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