物理学解体新書

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ボーア半径

ボーア半径とは

ボーアの原子モデルで導かれる、電子の理論的な軌道半径をボーア半径という。
ボーア半径は、ボーアの原子モデルで仮定した、量子条件と振動条件を使って導出される。


ボーア半径の導出

電子と原子核の間にはクーロン力が作用する。クーロン力\(F_1\)はクーロンの法則から次式となる。 \[ F_1=\displaystyle \frac{ 1 }{4\pi\varepsilon_0 }\displaystyle \frac{ Ze^2 }{r^2 } \]


電子は原子核の周囲を等速円運動している仮定なので、遠心力\(F_2\)は次式で表される。 \[ F_2=\displaystyle \frac{ mv^2 }{r} \]


等速円運動が維持されるためには、クーロン力\(F_1\)と遠心力\(F_2\)は等しくなければならない。 \[ \displaystyle \frac{ mv^2 }{r}=\displaystyle \frac{ 1 }{4\pi\varepsilon_0 }\displaystyle \frac{ Ze^2 }{r^2 } \]


前ページで説明した量子条件は次式であった。 \[ mvr_n=\displaystyle \frac{ h }{2\pi}n \]


これを代入すると\(n\)番目の軌道半径\(r_n\)は次式となる。 \[ r_n=\displaystyle \frac{ \varepsilon_0 h^2 }{\pi me^2} \displaystyle \frac{ n^2 }{Z} \]


\(r_n\)と\(Z\)以外は定数なので、実際の数値を代入する。 \[ r_n=0.529\times10^{-10} \displaystyle \frac{ n^2 }{Z} \]


\(n=1\)のときの軌道半径\(r_1\)をボーア半径という。 \[ r_1=0.529\times10^{-10} \displaystyle \frac{ 1 }{Z} \]

■次のページ:バルマー系列の導出

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2017/04/24



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