物理学解体新書

量子仮説

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黒体放射

完全黒体とは

物体に光(本当は電磁波)があたると、一部が吸収され、他は反射される。
闇の中でものが見えないのに、光があたると見えるのは、この反射のおかげだ。


光(電磁波)を100%吸収し、まったく反射させない物体を黒体という。
完全黒体という場合もある。


完全黒体が闇の中にあったとする。
これにライトで光を当てても、反射光が戻ってこないのだから、目には見えない。


明るい部屋の中に、完全黒体があったなら、そこだけくり抜いたように黒く見えることだろう。


このように完全黒体は、イメージしにくいものだが、疑似的につくることができる。
金庫のように、壁が厚く中が空洞の箱の内側は、真っ暗だ。


この金庫に細い穴を貫通させ、中を見る。
細い穴から中に入った光は、すべて閉じ込められてしまうので、貫通孔の部分は完全黒体と同じだ。


黒体放射

ニクロム線に電流を流す実験がある。
電流量が増加すると、ニクロム線の温度が高くなり、赤黒い光を放つようになる。
さらに電流量が増加させると、ニクロム線の発光色は赤色からオレンジ、黄色、青白、青と変化する。


ニクロム線に限らず、物体は温度が高いと光を放射し、さらに温度によって放たれる光の色が変化するのだ。


細い穴を貫通させた金庫を、完全黒体に見立てた。
この金庫を加熱し、貫通孔から中の様子を観察する。


金庫の中(完全黒体)は真っ暗だが、温度が上がると赤く見えてくる。
さらに温度を上げると、光の量が増し、色もだんだんと白くなっていく。


このように完全黒体が放射する色は、温度と密接な関係があるのだ。


この関係をまとめたものが、シュテファン・ボルツマンの法則ウィーンの変位則である。

■次のページ:シュテファン・ボルツマンの法則

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2017/04/15



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