粒子性と波動性
光の二重性
光は波か、粒子か
万有引力の法則や運動の法則を解き明かしたニュートンは、光の謎にも挑んだ。
ニュートンは、光は粒子であると考えた。
同時期、ホイヘンスは光を波動とする仮説を提示した。
二つの説はなかなか決着がつかなかったが、ヤングの実験によって、光が波特有の現象である干渉を起こすことを確認して光は波動であることが確定した。
光が波であることが分かると、波を伝える媒体(エーテル)を探すマイケルソン・モーレイの実験によって、光速度不変の原理が発見された。
これが相対性理論へとつながっていく。
光が波であると考えると、光の回折現象などの説明がついた。
ところが、やがて光が波と考えただけでは説明できない現象が発見された。それが光電効果である。
光電効果の謎を解き明かしたのは、アインシュタインであった。
アインシュタインは、「光は波であるが同時に粒子でもある」と考え、光量子仮説を提示した。
「光は波動」または「光は粒子」と限定されるのではない。
光は波動でもあるし、粒子でもあるのである。
波として振る舞う場面で、回折や干渉が起こり、粒子として振る舞うときに、光電効果が起きるのである。
これを光の二重性という。
波動としての性質と、粒子としての性質を二重に持っているからである。
光と同様にエックス線も二重性を示す。
光もエックス線も電磁波だ。
電磁波の性質として二重性があるのである。
エックス線が波として振る舞えば、ブラッグ反射、ラウエの斑点、デバイ・シェーラー環が現れる。
これに対し、粒子としてエックス線が振る舞えば、コンプトン効果となって現れるのだ。
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2017/04/22