剛体の力学とは
剛体とは何か?
実際の物体は変形したり、熱の影響で膨張する。
変形や膨張を考慮していては、理論が複雑になる。
そこで一定の大きさを持ちながら、力を受けても変形しない、熱の影響で膨張・収縮しない物体を仮想することにした。
このような物体を剛体と呼ぶ。
この世に剛体は存在しない。
しかし、剛体を仮想することにより、大きさを持った物体が、受けた力に対しどのように振舞うかを明らかにするのが剛体の力学である。
剛体の力学では、質点の力学にはなかった視点が必要になる。
「力が作用する部分」と「回転」だ。
剛体は大きさを持つので、どの部分に力が作用するのか、または回転を考えなくてはならない。
例えば、てこの原理では「どこに力が加わるのか」によって「どのように回転するのか」が決まる。
てこの原理は、剛体の力学の代表例なのである。
質点の力学において、サイズや大きさが本質でなかったように、剛体の力学では物体の変形は本質ではない。
なお、変形や材質を考慮した力学は「材料力学」「弾性体力学」である。
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2005/06/25
2010/02/13