最小二乗法
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最小二乗法とは
実験で得た測定値をグラフ上にプロットしても、それらがキレイに一直線に並ぶことはまずない。
個々の測定値には誤差が含まれるからだ。
そこで、「たぶん、この辺がバラツキの中央だろう」と見込みをつけて、感覚で直線を引くことになる。
直線を引いてみると、たまたま直線に重なったプロットもあれば、極端に離れたプロットもいることだろう。
サンプル数(測定の回数)が多ければ、プロットの多くは直線の周囲に密集することになる。
しかし、直線を引く感覚は人によって、異なるはずだ。
同じ測定結果であっても、「この辺が中央だ」という見込みが人の感覚によって変わってくるのである。
同一のプロットなのに、人によってy切片や傾きが異なる直線が導かれるのだ。
ただでさえ、測定結果には誤差が付きものなのに、さらに直線の引き方が人によってバラつくのでは、実験の精度は下がるばかりだ。
そこで、「人による直線の引き方の違いをゼロにする方法」が考案された。
これが最小自乗法である。
最小自乗法は、実験で得た測定値から計算によって直線の式(y=ax+b)を導き出す。
この直線の式に従ってグラフ上に直線を引けば、「バラツキの中央」にズバリ一致した直線を引くことができるのである。
最小自乗法は、計算だけで直線を決めるので人の「慣れ」や「癖」には無関係に「バラツキの中央」を通る直線が引けるのだ。
人の感覚による直線は、プロットのバラツキの様子を見て直線を引く。
つまり、直線よりも先にプロットがなければ引くことができない。
ところが最小自乗法ではプロットを見る必要はない。
測定値をプロットするよりも先に、グラフ上にまず直線を引き、その後から測定値をプロットすることも(メリットがあるかどうかは別として)可能なのだ。
つまり、最小自乗法では、グラフ上に直線を引く人の「慣れ」や「癖」には無関係に直線が引けるのである。
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2005/09/04