物理学解体新書


エックス線技術入門[2]

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エックス線(X線)の発生原理

エックス線(X線)はX線管を利用して発生させるのが一般的だ。
X線管は陰極のフィラメントと陽極のターゲットから構成されている。


陰極のフィラメントは、白熱電球のフィラメントと同様にタングステンをコイル状に巻いたものだ。
ここに電流を流すと電子が飛び出す。


この飛び出した電子は電流よる熱でエネルギーを得た電子だ。
このような電子を熱電子という。


フィラメントの周囲には電場になっている。
熱電子は電場で加速され、高速でターゲットに衝突する。


電子は衝突によって急停止するので、持っていた運動エネルギーの大部分が熱エネルギーに転換しターゲットを加熱する。
エネルギーの残りの一部分が、エックス線(X線)となって放射されるのだ。


ターゲットには高熱に耐え、エックス線(X線)の発生効率の高い材質が求められる。
原子番号の大きい元素ほどX線の発生能率が高い。
このため、ターゲットには高融点で原子番号が大きい主にタングステンが選択されている。
またターゲットを支える陽極は、熱を良く伝え、冷却しやすい銅が使用されている。


電子がターゲットに衝突してエックス線(X線)が発生した場所を焦点という。


焦点は見る向きによって、大きさや形状が変化する。
例えば、焦点を斜めから見たら、実際にX線を放射しているエリアは小さくなるはずだ。
このように視点によって異なる焦点を「実効焦点」と呼ぶ。
これに対し、実際にX線を放射しているエリアを「実焦点」と呼ぶ。

■次のページ:エックス線(X線)のスペクトル

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2008/01/05



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