物理学解体新書


空乏層

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空乏層とは

空乏層とは、pn接合面付近のキャリアが存在しない領域をいう。



p型半導体では正孔(ホール)が、n型半導体では自由電子が余剰である。



これら、p型半導体n型半導体を接触させたとしよう。
接触といってもただ、くっつけただけではない。 それぞれの半導体を構成している原子を共有結合させ、切れ目のない結晶として一体化させるのだ。
このような接触面をpn接合という。



一体化させることにより、n型半導体中の自由電子が、p型半導体中へ拡散してくる。

n型半導体中では自由電子が混み合っているので、p型半導体中へ押し出されてきたイメージを描くと分かりやすい。



同様にホールp型半導体中からn型半導体中へ拡散してくる。
ホールはもともと電子が抜けた穴だ。

拡散してきた自由電子とホールがpn接合面で出会うと、自由電子がホールにはまり込み(再結合という)、自由電子でなくなる。ホールも電子で埋まる。つまりキャリアがなくなるのだ。

余談

「電子とホールが消滅する」という表現を見かけるがこれは誤解だ。
ホールとはもともと電子がいた場所である。
そこへ自由電子が落ち込んで、自由に動けなくなっただけのことだ。
電子が自由電子でなくなっただけであり、電子そのものが存在しなくなったのではない。



pn接合面付近のキャリアが存在しない領域を空乏層という。
空乏層には電荷がないのだ。

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2005/06/01



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