n型半導体
n型半導体とは
ドナーとn型半導体
導体中では自由電子が一方向に移動することで電流が流れる。
電流の担い手をキャリアという。
導体のキャリアは自由電子なのだ。
半導体中では、共有結合から離れた電子が自由電子となり、電子が抜け出た跡が正孔(ホール)となる。
自由電子と正孔(ホール)の移動によって電流が流れるため、半導体中のキャリアは自由電子と正孔(ホール)ということになる。
真性半導体では自由電子と正孔(ホール)は同数だ。
共有結合から電子が離れると、自由電子と正孔(ホール)がペアで誕生するからだ。
5価の元素であるAs(ヒ素)を少量、真性半導体に混入すると、その中の電子の一つが共有結合に組み込まれず余ってしまう。
最外殻の電子が5個あるからだ。
この余分な電子は、微少なエネルギーで容易にAs(ヒ素)から離脱し自由電子になる。
しかも跡には正孔(ホール)が生まれない。
As(ヒ素)が多めに半導体中にあると、正孔(ホール)よりも自由電子が多くなる。
このような半導体がn型半導体だ。
また、As(ヒ素)のように共有結合に寄与しない電子を、自由電子として放出する元素をドナーという。
なお、n型半導体が負に帯電していると勘違いしてはいけない。
ドナーは元々中性の元素だ。
自由電子を放出したドナーは、陽イオンになっているので、トータルの電荷はゼロである。
n型半導体の特色
真性半導体にⅢ族やⅤ族の元素を混入すると、半導体の電気的特性が顕著に変化する。
このような半導体を、不純物半導体という。
不純物半導体には以下の二種類がある。
種類 | 混入する不純物 | 多数キャリア |
n型半導体 | Ⅴ族元素(ドナー) | 自由電子 |
p型半導体 | Ⅲ族元素(アクセプタ) | 正孔(ホール) |
半導体中にあって、共有結合に寄与しない電子を自由電子として放出する不純物元素がドナーである。
ドナーが電子を放出しても、その電子はもともと共有結合に参加していなかったので、ホールは生成されない。
従って、ドナーを混入させた半導体中では、ホールに比較して自由電子が過剰になる。
過剰なキャリアを多数キャリアという。
n型半導体とは、多数キャリアが自由電子である半導体のことである。
n型半導体が単独で利用されるケースは少ない。
多くは、n型半導体とp型半導体を組み合わせることで得られるpn接合を利用する。
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2005/06/01
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