物理学解体新書

誘電体

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誘電率

誘電率と比誘電率

誘電率εの値は物質ごとに異なる。
各物質の誘電率εの値を調べようとしても、理科年表には記載されていない。
理科年表には誘電率ではなく、誘電率が記載されているのだ。

なお、理科年表での比誘電率はkεで表現されている。
ここでは、他の書籍との整合のため、εrとする

比誘電率εrとは、ある物質の誘電率εを真空の誘電率ε0で割った値だ。
εrは、ある物質の誘電率εの値がε0の何倍であるかを示している。
または、電荷間に作用する力が、真空中に対して何分の1になるかという値でもある。

蒸留水中での力は、真空中での約1/80なので、蒸留水の比誘電率εrは80である。
比誘電率εrが大きい物質ほど、その物質をまたいで作用するクーロン力は小さい。
力Fも電場の強さEも真空中に比較して、1/εrになるのだ。

真空中での比例定数を以下のように決め、ε0を真空の誘電率とした。(「電気力線の数」参照)
真空中での比例定数
この関係は真空中に限定せず、他の物質に対しても適用できる。もちろん誘電率は物質ごとに固有の値となる。
真空中の場合は0(ゼロ)をつけたが、真空以外の場合は0(ゼロ)を省く。

比誘電率も物質ごとに固有の値を持ち以下の関係がある。
k=(1/εr)k0

この関係より、各物質の誘電率、比誘電率と真空の誘電率には以下の関係が導きだせる。
ε=εrε0
「ある物質の"誘電率"は、"真空の誘電率"に、その物質の"比誘電率"をかけた値ですよ」ということだ。

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2005/06/18



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