導体
導体中の電位と電場
導体の中には電気力線が入れず、電場も存在できない。
その理由について解説する。
一様な電場に導体を入れる。
するとすぐに静電誘導によって、導体の表面に電荷が出現する。
出現した電荷は、導体内に新たな電場を作るが、その向きは、外部の電場を打ち消す方向だ。
静電誘導では外部の電場を完全に打ち消すように電荷が出現する。
このため、電場内におかれた導体の内部には、電場は存在しない。
外部の電場と等大逆向きの電場が重なるので、電場はゼロになってしまうのだ。
電気力線の密度は電場の強さと等しい。
だから、導体内に電場がなければ電気力線もないのである。
これは、導体中に電気力線が入れないことを意味している。
電場の中で電荷を動かすときに必要な仕事が電位であった。
電場が存在しなければ、電荷を動かすときに仕事は要しない。
仕事は要しないのだから、導体の内部は等電位なのである。
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2016/11/24