物理学解体新書

運動の状態

HOME質点の力学運動の状態>速度

速度

運動の状態:速度とは

物体が運動していく様子を時間、位置速度加速度で表現したものが運動の状態だ。

その中で、「物体が移動していくスピード」が速度のイメージである。

「物体の移動した距離(位置の違い)」を「移動に要した時間」で割った量を速度という。
自動車で40km離れた地点間を二時間で移動した場合、速度は「20km/時 (時速20km)」となる。
つまり「1時間あたり20kmずつ移動する」という意味だ。



速度に関する注意

速度には三つの点で注意を要する。

速度に関する注意[1]

「時速で表現する場合、実際に走っている時間は1時間でなくてもよい」ということだ。
0.1秒間でもよいし、30時間でもよい。

「仮にそのままの状態で1時間走り続けたら、距離○○だけ移動しますよ」というのが、時速の考え方だ

速度に関する注意[2]

上記の例では1時間あたりを例示したが、秒速や分速であってもよい。
物理では秒速を利用する機会が圧倒的に多い。

速度に関する注意[3]

出発地点から到着地点までの全行程を、一定速度(ここでは20km/時)を保ったまま移動したのではない。
スタートと同時にだんだんと速度を上げ、あるときは、30km/時で走ったり、減速したりしながら走った結果、平均が20km/時になったのである。
このように速度は刻々と変化するのだ。



瞬間の速度

物理では「瞬間の速度」という言葉がよく出てくる。
瞬間の速度について説明しておこう。

一直線の道路を自動車が30km/h(時速30キロ)で走っていると仮定する。
80km/hまでスピードを上げようとアクセルを踏んだとしよう。
このときアクセルを踏んだ瞬間に80km/hになることはない。

自動車はだんだんとスピードを上げ、やがて80km/hになる。
スピードがだんだんと上がっていくことを加速という。

加速している最中、スピードメーターをチラと見たときメータは45km/hであったとする。
次の瞬間にもまたチラと見たとき今度は52km/hであった。

チラと見たときの速度が「瞬間の速度」のイメージだ。

チラと見るほどの短い時間であっても、この間に自動車はわずかながら進む。
「わずかながら進んだ距離⊿L」を「チラと見るほどの短い時間⊿t」で割ったものが瞬間の速度だ。
加速中(または減速中)、瞬間の速度は刻々と変化する。

チラと見るほどの短い時間を限りなく短くしたものが瞬間の速度の定義だ。
V=dL/dt

物理現象は刻々と速度が変化する例が多い。
速度とは瞬間の速度を示す。
どの瞬間をとっても速度が同一の場合、その運動を等速直線運動という。

次のページでは加速度について解説する。
位置や速度が時間の関数であるように、加速度も時間の関数である。

■次のページ:加速度

このページのTOPへ



スポンサーリンク

2005/06/03
2010/02/07
2016/07/31



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト