物理学解体新書

ド・ブロイ波

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電子波

電子は粒子ではあるが、同時に波でもある。
波としての性質が現れた場合を電子波という。
ここでは、電子波による現象を説明する。


電子回折

電子線を結晶に照射すると、電子線が回折する。
回折は波動特有の現象だ。


電子線が回折するのは、電子が波として振る舞っているからである。


ブラッグの反射条件

エックス線を結晶に照射すると、特定の方向で反射が強まる。
これがブラッグ反射だ。
複数の結晶面からの反射の波がそろう角度で反射が強まる。


ブラッグ反射が起こるのは、エックス線が波動である証拠なのだ。


電子線を結晶に照射しても、ブラッグ反射が起こる。
電子が波として結晶に作用しているからである。


電子顕微鏡

光学顕微鏡(一般的な顕微鏡)は、レンズを使って光で拡大するが、電子波を使って拡大するのが電子顕微鏡だ。
光学顕微鏡の倍率は1000倍〜2000倍であるのに対し、電子顕微鏡は10万〜100万倍まで拡大することができる。


光学顕微鏡も光学系を改善すれば、電子顕微鏡のように100万倍くらいに倍率があがるかといえばそうではない。
光を使って観察するので、そこまで拡大できないのだ。


細かく見える限界を分解能という。
波長よりも細かい部分は見えないので、分解能は波長で決まる。


光(可視光線)の波長は10-7mだ。
これに対して、電子波の波長は10-10mである。
光の波長よりも、3桁も短いのだ。


このため電子顕微鏡が光学顕微鏡よりも、より細かいところまで見ることができる。
つまり分解能が高いことを示している。


仮に光学系を改善して光学顕微鏡の倍率が10万倍を超えたとしても、像が大きくなるがぼやけてしまうだろう。
光の波長では分解能が追いついていないので、拡大しても細かい部分が見えないのだ。


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2017/04/26



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