物理学解体新書

レーザー技術入門[1]

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光の性質

回折や干渉などの性質を持つことから、光の正体は波であると考えられていた。
アインシュタインが光量子仮説を発表したことによって、今日では、光は粒子であると同時に波動でもあることが分かっている。


光の波動としての性質が顕著に現れる例が、屈折・回折・干渉である。
粒子としての性質によって起こる現象が、光電効果である。


電界と磁界が交互に伝わっていく波を電磁波という。
電波や光、エックス線、ガンマ線は、それぞれ波長が異なるのみで、すべて電磁波である。


波長約0.4〜0.8μmの範囲の電磁波が可視光である。
波長の長い側が赤色であり、波長が短くなるつれ、橙・黄、緑、青、藍、紫と変化する。
目で見た色の違いは波長の違いなのだ。


プリズムを通して太陽光を見ると七色に分解する。
つまり、太陽光は様々な波長が入り混じっているのだ。
太陽光だけでなく世の中の多くの光は、様々な波長が入り混じった雑多な光なのである。
このような状態の光を単色性が悪いという。


なお、この可視光の範囲よりも長い波長の電磁波が赤外線や電波であり、この範囲よりも短いと紫外線、エックス線、ガンマ線となる。


光は波長によって屈折率が異なる。
雑多な光をプリズムに通せば、光を波長ごとに分離することができる。
つまり、特定の波長のみの光をピックアップすることができるのだ。
単一の波長のみの光を単色光という。


単色光を構成する光の波長はすべて一定である。
しかし、位相は一定ではない。
つまり雑多な光からピックアップした単色光は、波長はそろっているが、位相はバラバラというわけだ。
このような光の状態を「可干渉性が悪い」と表現する。


電球など一般の光源は、点灯させると光線が拡散する。
光源から出た光は四方八方へと広がっていくのだ。
光線がどの程度直進するかの指標を指向性という。
一般の光源の指向性は悪い。


光には、単色性、可干渉性、指向性といった性質が備わっていることが分かった。
太陽光や電灯の光などは、これらの性質が優れていない。
1960年代に原子の誘導放出を利用して、単色性、可干渉性、指向性に優れた人工の光線を発生させる技術が生み出された。
このような人工の光をレーザー光という。

■次のページ:レーザー光の特徴と応用分野

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2006/01/14



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