物理学解体新書

有機EL技術入門[4]

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生成法

有機ELの材料には、高分子系(polymers)と低分子系(molecules)がある。


高分子系はインクジェット方式で薄膜を形成できる。
このため、真空も高温も不要であり、ミクロン単位での位置調整が可能である。
インクジェット方式が利用される以前は、スピンコーティングが主流であった。
スピンコーティングでは、90%以上の材料が無駄になる。
しかし、インクジェット方式では、無駄がほとんどゼロのた、非常に経済的である。


低分子は粉体で利用、高分子は溶剤に溶かして利用する。


低分子系は多層構造、高分子系は単層構造(または2層)が多い。


低分子系は真空蒸着を利用する。
このとき各膜の厚みは20〜50ミクロンとなる。


真空蒸着は抵抗過熱を利用する。
電子ビーム蒸着ではエネルギーが強すぎて、有機材料が破壊されるからだ。
有機材料は熱伝導が悪いので、抵抗加熱では、ルツボは十分加熱しているのに有機材料の過熱が不均一である。
これでは上手に蒸着できない。


RGBの蒸着はシャドーマスクを利用する。
シャドーマスクはミクロン単位で位置決めするが、抵抗加熱の輻射熱で膨張、変形し位置決めが難しい。


高分子系のスピンコーティングでは、材料歩留まりが悪い。
5%〜10%程度しか利用できない。
回転するので、RGBの色分けができない。
従って単色のみである。


高分子系はインクジェット方式を使用してRGBを色分けする。


陰極隔壁はシャドーマスクを使わない。


ガラスで封止するが、ガラスと素子の間には接着剤を使用する。
接着剤は水分を透過するので、電極が酸化されてしまう。
これを防止するために、ゲッター剤を利用する。
ゲッター剤は乾燥剤である。

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2006/02/11



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