物理学解体新書

コンデンサー技術入門[5]

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誘電率と比誘電率

静電容量Cは、極板の面積Sに比例し、極板間の距離dに反比例する。
これを数式で表したものが以下だ。

静電容量

比例定数のεは、誘電率と呼ばれている。
誘電率は誘電体が持つ物質固有の値である。
誘電体のサイズや体積に依存しない。


物質固有と言いながらも、真空にも誘電率がある。
真空の誘電率をε0で表記する。
真空中における静電容量Cの式は以下のようになる。

真空中の静電容量

ε0は、約8.854×10-12[F/m]である。


真空では誘電分極など起こらないので、真空の誘電率には違和感がある。
まったく誘電分極が起こらない真空中でも、CはS/dに比例する。
比例すれば比例定数を定義できるので、0と決めたのだ。
誘電体では、誘電分極の影響を受けるので比例定数εが0とは異なった値になるのである。


ε0に対するεの値を比誘電率εrという。
比誘電率は単位を持たない。
ε0、ε、εrには以下の関係がある。
ε=ε0εr


開発などの実務では、誘電率よりも比誘電率が多く用いられている。
比誘電率は温度や周波数、密度により、値が変化するケースが多い。

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2006/01/27



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