物理学解体新書

力学的エネルギー

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運動エネルギー

動いている物体は、衝突することにより他の物体を変形させたり、動かしたりすることができる。
これは「仕事をすることができる」ことを意味する。
つまり動いている物体は、エネルギーを持つのだ。


動いている物体がもつエネルギーを、運動エネルギーという。
運動エネルギーは次式で表現される。
運動エネルギー
式から読み取れるように速度の2乗に比例する。
スピードが大きいほど、運動エネルギーは大きいというわけだ。


ここで運動方程式をもう一度見てみよう。
F=ma
この式は、力が加わると物体が加速することを示している。
加速とは速度が変化することだ。
力が加われば、運動エネルギーが変化することになる。


この力は、保存力非保存力かは問わない。
どちらであっても運動エネルギーの増減に寄与するのだ。


力の作用しない物体は、そのままの速度で運動を続ける。
これが、慣性の法則である。
力が働かなければ、運動エネルギーは一定なのだ。


ポテンシャルエネルギーは、保存力が作用する空間でのみ定義された。
しかも保存力の種類により、式の表現も都度変わった。


一方で運動エネルギーは、力の有無や力の種類(保存力非保存力)によらず定義されるのだ。
まとめると次のようになる。

作用する力
ポテンシャルエネルギー運動エネルギー
保存力引力(重力)ポテンシャルエネルギー
地上近辺の近似式は

ポテンシャルエネルギー
運動エネルギー
クーロン力ポテンシャルエネルギー
磁気力ポテンシャルエネルギー
バネ弾性力ポテンシャルエネルギー
非保存力定義できない
力が作用しない定義できない


ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーを合わせて、力学的エネルギーという。

■次のページ:力学的エネルギー保存の法則

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2005/08/11



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