物理学解体新書

仕事と仕事率

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仕事率

2[N]の力で物体を5[m]移動した場合その仕事は10[J]だ。
この10[J]の仕事を1秒で済ませた場合と、10秒要した場合とでは、仕事の能率が異なることに注意したい。


効果の度合いは同等(ともに10[J])なのに、能率に違いがあるのだ。
仕事の能率を仕事率といい、単位時間あたりの仕事で表現する。
仕事を時間で割るのであるから単位は[J/s]だが、特別に[W](ワット)をあてている。


上記の例の場合、
10[J]の仕事を1秒で済ませた場合:仕事率は10[W]
10[J]の仕事を10秒で済ませた場合:仕事率は1 [W]
となる。
仕事率は数値が大きいほうが、仕事率は高いのだ。


ワットは電気製品の性能を示す指標として日常生活でも馴染み深い。
仕事はもともと、「力×移動距離」で定義されるが、物体の移動だけに限定された物理量ではない。
電気も仕事をすることができ(エネルギーも持っているから)、その仕事の程度を仕事[J]や仕事率[W]で表現することができるのだ。


60[W]の電球よりも、100[W]の電球のほうが明るい。
100[W]方が単位時間により多くの仕事をしているということだ。


電力会社からの請求書がお手元にあればぜひご覧いただきたい。
「ご使用量」といった項目があり、例えば「234kWh」のように記載されていると思う。


「kWh」は「キロ・ワット・時」という単位で「1[W]の仕事率を1時間連続した場合の仕事の1000倍」を意味する。
「kWh=3600kJ」の関係があるので、「キロ・ワット・時」はジュールと同次元の物理量、つまり仕事なのだ。


このことから分かるように電力会社は、電気にさせた仕事の量に応じて、料金を請求してくるのだ。
各家庭では、電気を使ってモーターを動かしたり、発光させたり、発熱させたりする。
冒頭書いたように、物体の移動、発熱、発光はみな仕事なのだ。


ここで注意しておきたいのは、Power と Forceの違いだ。
Power も Forceも力のようなイメージがあるがそうではない。
Forceは力だが、Power は仕事率を意味する。
念のために比較表を記載しておこう。

英単語ForcePower
意味仕事率
SI単位N(ニュートン)W(ワット)

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2005/08/07



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