β+崩壊
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β+崩壊
β崩壊とは、原子核がβ線とニュートリノ(および反ニュートリノ)を放出して、他の原子核になる現象をいう。
放射するβ線の違いによって、β崩壊は二つに区分される。
区分 | 放射線 | 原子番号 | 質量数 | 核子の変化 |
β-崩壊 | β-線(電子) | 1つ増える | 変化しない | 中性子がβ-線と反ニュートリノを放射し、陽子に変わる。 |
β+崩壊 | β+線(陽電子) | 1つ減る | 変化しない | 陽子がβ+線とニュートリノを放射し、中性子に変わる。 |
β+崩壊で放射されるβ+線(陽電子)は、原子核内部から放射されたものだ。
原子核を取り巻く電子が、陽電子に変化し飛び出してくるのではない。
原子核は陽子と中性子から構成されるはずなのに、この陽電子は原子核のどこにいたのだろうか?
この陽電子は陽子から生じたのだ。陽子は正電荷を持つ。
その陽子から正電荷を持った陽電子が放出されるので、残った陽子は正電荷を失い中性子になる。
さて、陽子が中性子に変化したということは、原子番号が一つ減ったことになる。
原子番号が異なれば、それはもう別の原子ということになる。
β+崩壊とは原子番号が1つ小さい原子に変わる崩壊である。
なお、β+崩壊を起こしても質量数は変化しない。
β+崩壊時に原子核から放出されるのはβ+線だけではない。
電子ニュートリノという中性の素粒子も同時に放出される。
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2005/06/01
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