物理学解体新書

核燃料サイクル

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原子力発電の原理

陽子数が同一でありながら、中性子数の異なる元素を同位体という。
ウランにもいくつかの同位体があるが、このうち235Uには核分裂を起こすという特徴がある。
235Uの原子核に中性子が突入すると、原子核は核力によってこの中性子を核内に取り込む。


取り込んだはいいが、原子核にとって、「陽子92個、中性子144個」という組み合わせは非常に具合が悪い。
「陽子同士が正電荷で反発しあう作用」が「核力でまとまろうとする作用」をわずかに上回るため、このままの状態では不安定なのである。


このため、ウランの原子核は自分自身を維持することができずに、すぐに二つの原子核へと分裂する。
この分裂に伴い、熱と余分になった2〜3個の中性子を放出する。
これを核分裂という。





余談

分裂して生成される二つの核のペアは同程度の大きさではない。
大きい核と小さい核のペアが生成される。




放出された中性子の一部が他の235Uの核に突入すれば、この核を分裂させ再び熱と中性子が放出する。
このような「飛び出した中性子が他のウラン原子核を分裂させる」というプロセスが反復することにより、235Uの核分裂が連鎖し、熱が持続して発生するのである。


放出された中性子が次の235Uに突入する割合をコントロールすれば、適度な熱を安定して取り出す可能になる。これが原子炉だ。


この原子炉で生じる熱で水蒸気を発生させ、タービンを回転させるのが原子力発電の基本原理である。
熱を生成する手段が異なるが、それ以後の発電のプロセスは電子力発電も火力発電も同様なのである。(原理が同様なのであって、設備が同じなのではない。念のため)

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2005/05/18



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