核燃料サイクル
核燃料とは
原子炉内で核分裂させる材料を一般に核燃料という。
本来、発熱や発光を伴う酸化反応を燃焼といい、燃焼させるための素材を燃料という。
燃料を酸素と結合させて熱や光が生じれば、それは燃焼だ。「燃料」「酸素」「熱」を燃焼の三要素という。
三要素が同時に存在しないと燃焼は起こらない。
燃焼は酸化反応のひとつの形態なのだ。
一方、原子炉ではウランが中性子を吸収して、分裂することにより熱が発生する。
この発熱のプロセスは核反応であるので酸化ではない。
従って、原子炉にとってウランは「核反応の材料」ではあるが、「燃料」ではないのだ。
原子炉の内部で核反応が起こっているのであって、ウランが燃えているのではない。
ウランの核反応は酸素の存在とは無関係なのだ。
核反応させるための材料を「核燃料」と呼ぶことが慣例となっている。
イメージとしては把握しやすいが、科学の視点でみれば明らかな誤りである。
「核燃料」という用語は本来誤用ではあるが、一般の表現として定着しているので、ここでは、「核燃料」という用語を用いて説明する。
くれぐれも「原子炉内部でウランが燃焼している」といった誤解が無いようにお願いする。
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2005/05/18
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