物理学解体新書



物理学用語辞典

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タ行

ターボ分子ポンプ

真空ポンプの一種。タービン翼を高速で回転させることで、気体分子を弾き飛ばして排気する。



第2種永久機関

受けた熱エネルギーをすべて仕事に変え、外界に何の変化も残さない機器。熱効率100%の熱機関。熱力学第二法則により、熱エネルギーをすべて仕事に変えることができないので、第2種永久機関は存在しない。



ダイオード

結晶構造の分断なく、p型半導体とn型半導体が接している領域の部分をpn接合という。pn接合に電極を取り付けた電子部品をpn接合ダイオード、または単にダイオードという。
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ダイオードブリッジ

交流を直流に変換する(整流する)回路。4つのダイオードを四辺形のように並べている。



帯電体

正または負の電荷を帯びた物体。



ダイヤフラム

空気圧や流体の圧で振動する薄い板。圧力の調整弁として使用される場合が多い。



太陽電池

光から電力を生成する機材。



ダウンクォーク

クォークの一種。アップクォークとともに第一世代のクォークに分類される。2個のアップクォークと1個のダウンクォークで陽子が、1個のアップクォークと2個のダウンクォークで中性子が構成される。



縦弾性係数

垂直応力と縦ひずみの比。



ダニエル電池

ダニエル(イギリスの物理学者)が発明した電池。起電力約1.1V。1836年に完成。ボルタ電池の欠点であった水素による分極を改善した。



ダブルヘテロ接合

1つの材料を、異なる種類の材料でサンドイッチにしたときの構造。ヘテロ接合(異種材料間の接合)が二つあるのでダブルヘテロ接合と呼ばれる。



弾性係数

応力σをひずみεで割った値。フックの法則での比例定数。



弾性限界

弾性変形が可能なギリギリの荷重。弾性限界内で荷重を取り去れば材料は元に戻るが、弾性限界を超えた荷重を取り去っても材料は元に戻らず塑性変形となる。



炭素被膜抵抗

抵抗器の一種。セラミックス上に炭素被膜をつくり、これに無数のキズをつくったもの。キズの密度によって抵抗値を調整する。



短絡

本来、導通していないはずの電気回路上の二点が、意図に反して導通してしまった状態。ショートともいう。



力のモーメント

物体を回転させようとする能力を「力のモーメント」といい、Fとrの外積で表す。
力のモーメントは、Nで表すことが多い。
外積なので、力のモーメントはベクトル量である。
別名トルクともいう。
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チャームクォーク

クォークの一種。ストレンジクォークとともに第二世代のクォークに分類される。



中間子

一つずつのクォークと反クォークで構成される粒子。湯川粒子とも呼ばれる。



中性子

陽子とともに原子核を構成する核子。電荷を持たない。単独では不安定であり、陽子、電子、反電子ニュートリノに崩壊する。



超音速

音速(秒速340メートル)を超えるスピード。言葉は似ているが超音波とは違う。



超音波

振動数が20kHzを超える音。人間の聴覚では感じ取れない。人間の聴覚の範囲は20Hzから20kHz。言葉は似ているが超音速とは違う。



潮解

固体が空気中の水分を吸収して溶ける現象。塩化マグネシウムで発生する。



超伝導

物質を極低温に冷却したときに、電気抵抗が失われる現象。すべての物質が超伝導になるのではない。「超電導」ではなく「超伝導」。電気抵抗がないため、流れ始めた直流電流はいつまでも流れ続ける。



超伝導量子干渉素子

ジョセフソン素子を利用した磁気センサー。SQUIDと略す。微小な磁場の測定が可能。



超流動

極低温で液体ヘリウムの流動性が高まる現象。超流動のときの液体ヘリウムは容器の壁面を伝って容器外へ流出してしまう。



チンダル現象

多数の微粒子が分散している中を光が通過するとき、微粒子と反射で光の経路が明るく見える現象。



ツェナー効果

ダイオードで、逆方向電圧を増加させていくと、ある電圧値から急激に電流量が増加する。この現象をツェナー効果(またはアバランシェ降伏)という。



ツェナーダイオード

流れる電流とは関係なく、両端に一定の電圧が生じるダイオード。定電圧ダイオードともいう。電源回路に利用される。



抵抗率

抵抗体が単位長さ、単位断面積のときの抵抗値。ρで表現する。電気抵抗率ともいう。伝導率の逆数。



定常波

振幅は繰り返すがその場で止まっているように見える波。進行波と戻ってくる反射波が重なり合い生じる。定在波または停立波ともいう。



デカルト座標

縦軸(y軸)と横軸(x軸)で構成された座標。X-Y座標のこと。デカルトがX-Y座標を考案したためデカルト座標と呼ばれる。



デコード

エンコードされたデータを元のデータ形式に戻すこと。



てこの原理

少ない力で重量物を動かすことができる。
これをてこの原理という。

てこは一本の棒に過ぎないが、支点・力点・作用点の3つの点から構成される。
だ。

てこの原理は、力のモーメントによる効果の現れである。
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デジタル回路

電圧値や電流値ではなく、信号の有無に意味を持たせた回路。



デシベル

増幅率、減衰率、音の大きさを示す単位。dBと表記する。「デシ」は10分の1を表す接頭辞(デシリットルのデシと同じ)なので、デシベルはベルの10分の1を示す。



テスラ

磁束密度の単位。ニコラ・テスラの名に由来する命名。



デュロン・プティの法則

比熱容量は物体によって異なる。
しかし、個体の定積モル熱容量は物質の種類とは無関係に「だいたい同じ」になる。
その値は約25.5[J/mol・K]であり、ちょうど3R(気体定数Rの3倍)に相当する。
これを、デュロン=プティの法則という。
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電圧

高い位置にある物体は、低い位置へ向け落下しようとする。
同様に電位の高い場所にある電荷は、電位の低い位置へ向け移動しようする作用が働く。
この作用を電圧という。
電荷の移動が電流なので、電圧は電流を流そうとする働きのことを指す。
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電圧降下

電流を流したとき、回路内の電気抵抗の両端に生じる電位差。



電位

重力場中の物体は、位置エネルギーを持つ。
同様に電場中の電荷も、位置に応じたエネルギーを持つ。
これは「電場での位置エネルギー」なので、電位という。
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電解質

液体に溶したとき、陽イオンと陰イオンに電離する物質。塩化ナトリウム、硫酸銅、硝酸銀が例。イオン結合している物質は基本的に電解質。



電気工学

電気・磁気の性質・現象を利用した技術や応用機器の研究分野。



電気素量

電気の最小単位。電子、陽子の電気量の絶対値に等しい。素電荷ともいう。電気量は電気素量の整数倍の値になる。



電気力線

電場の様子を目で見て直感できるように工夫したのが電気力線だ。

電気力線という実体がこの世に存在するのではない。
電気力線が存在すると仮想すると他の物理現象を合理的に説明することができる。

電気力線は以下のように定義する。
電気力線はプラス電荷から湧き出し、マイナス電荷に吸収される。
電気力線上の任意の点の接線はその点での電場の方向を示す。
単位面積を通過する電気力線の本数(電気力線密度)はその場所の電場の強さに等しい。
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電子

素粒子の一種。レプトンに分類される。電子が流れることで電流となる。



電子工学

電子の性質・現象を利用した技術や応用機器の研究分野。エレクトロニクスともいう。



電磁石

導線を円筒状にグルグルに巻いたものをコイル(またはソレノイド)という。
このコイルに電流を流すと、磁力線はコイルの一端から出て他端に吸収される。
このため、電流の流れている電磁石は磁石と同じ働きを持つ。
これを電磁石という。



電子銃

電子線を細く収束させる機材。固体を加熱させ放出された電子を電界で加速させる。電子顕微鏡等で利用される。



電磁波

「電場と磁場が交互に発生して伝播していく波」を電磁波という。
目に見える光(可視光)、電波、赤外線、紫外線、X線などはすべて電磁波である。

電磁波は長い波長(低い周波数)から短い波長(高い周波数)にかけて、

ラジオ波→マイクロ波→テラヘルツ波→赤外線→可視光線→紫外線→X線→ガンマ線

と名前が変化する。
つまり、これらの名称は電磁波を波長ごと(周波数ごと)に分けた呼び方なのだ。



電子ボルト

素電荷が1Vの電位差を通過するのに要するエネルギー。エレクトロンボルト。eVと表記する。



電磁誘導

磁束が導体を横切ると、その導体に電位差が生じる現象を電磁誘導という。
電磁誘導は、モーターや発電機などの原理である。



電束

電気力線を何本か束ねたものを電束という。Qクーロンの電荷からはQ本の電束が放射される。



電束密度

単位面積あたりの電束の数を電束密度という。D=εEの関係がある。



伝導電子

金属や半導体の中で、電流としてふるまう自由電子。特定の原子に属さず、伝導帯を移動する。



伝導率

物質の電気の通しやすさの指標。σで表現する。抵抗率の逆数



電場

電荷の影響を受けている空間を電場という(電界という場合もある)。
電場内に他の電荷を持ってくると、その電荷は電場から力を受ける。
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電力

電流が1秒間に行う仕事。国際単位(SI単位)ではワット(W)が単位。



電力量

電力を時間ごとに積算したもの。1ワットの電力を1時間使用すれば電力量は1ワット時(1Wh)。



同位体

原子番号が同一で、中性子数が異なる原子を同位体という。
同じ元素であっても(原子番号・陽子数が同一であっても)質量数がことなる元素が同位体だ。
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等価原理

重力質量と慣性質量は完全に一致しているという原理。加速による見かけの力と重力は本質的に同じであると考える。等価原理を根本として一般相対性理論が構築された。



同軸ケーブル

被覆電線の一種。中心の導体を絶縁体が包み、さらにその外側を導体が包んだ構造になっている。外部への電磁波の漏れが少ない。



透磁率

磁場中に磁性体を入れると、磁性体は磁化して磁束密度Bを生じる。
磁束密度Bは、与えた磁場の強さHに比例する。
このときの比例定数を透磁率といいμで表す。



等速直線運動

スピードを変えず、一直線上を進む運動。摩擦のない平面を物体がどこまでも滑っていく運動が例。外部から力が作用しなければ物体は等速度運動を続ける。この性質を慣性の法則という。
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等電位面

電位は場所によって異なる。電荷から遠いところでは小さいし、近ければ大きい。
この電場の中で、電位の等しい点を連ねていくと面が形成される。
この面を等電位面という。
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動粘度

流体の密度に対する粘度(粘度÷密度)。単位 はストークス(St)。



特性X線

電子が軌道を遷移するときに生じるエックス線。



トップクォーク

クォークの一種。ボトムクォークとともに第三世代のクォークに分類される。



ドップラー効果

音源が近付いてくるとき、音源が発する音よりも高く聞こえ、音源が遠ざかるとき、音源が発する音よりも低く聞こえる現象。



ドナー

半導体に意図的に追加される不純物の一種。電子を供給する。



ド・ブロイ波

電子は粒子として振る舞う場面と、波動として振る舞う場合の二面性があり、波動として振る舞う場合をド・ブロイ波と表現する。物質波ともいう。



トムソン効果

金属や半導体の温度が不均一であるとき(場所によって温度が違うとき)、そこに電流を流すと熱が吸収したり発生したりする現象。



トライアック

双方向に電流を通すことができる半導体スイッチング素子。二つのサイリスタを相互に逆方法につなげた構造なので交流でも利用できる。元々はゼネラル・エレクトリック社の商品名。



トランジスタ

電子部品の一種。増幅やスイッチイングを目的として利用される半導体素子。スイッチイングの特性を利用して論理回路にも使用される。



トリウム系列

4つある崩壊系列の一つ。トリウム232 からスタートし鉛208で完了する。系列中に登場する核種の質量数はすべて4n。



トルク

固定された回転軸に対する力のモーメント。軸を回そうとする作用の大きさ。



ドルトンの法則

混合気体の圧力は、その気体を構成する各成分の分圧の和に等しい。分圧の法則ともいう。



トンネル効果

低いエネルギーの粒子が、それ以上のポテンシャル障壁をある確率で通過してしまう現象。粒子(原子、電子)のエネルギーは確率で決まるので、ある瞬間にポテンシャル障壁以上のエネルギーとなり通過してしまう。エサキダイオードはトンネル効果の応用例。




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